清盛生誕地は平氏発祥の地

八坂神社/京都府京都市

京都でもっとも賑わう神社

京都の繁華街四条通の東にある八坂神社は、神社の東側にしだれ桜で有名な円山公園が隣接していることもあり、観光地として多くの人が訪れます。正月三が日の初詣の参拝者数は約100万人を誇り、京都府下では伏見稲荷大社に次ぐ数。非常に賑わいを見せる神社です。
慶応4年(1868年)の神仏分離令(廃仏毀釈運動)により、八坂神社と改名されたもので、それまでは祇園神社や祇園社と呼ばれていました。

八坂神社西楼門

祇園社の名が示すとおり、日本三大祭りのひとつ「祇園祭」を執り行う神社としても有名。祇園祭は貞観11年(869年)に各地で疫病が流行した際に神泉苑で行われた御霊会を起源とするもので、今でも京都の夏の風物詩になっています。
四条通に面した西楼門をくぐります。この門にはクモの巣が張らず、雨垂れの跡もつかないことから「八坂神社の七不思議」のひとつに数えられています。参道を歩くと本殿に到着します。本殿と拝殿をひとつ屋根で覆う「祗園造り」といわれる独特の様式です。

八坂神社本殿

八坂神社に鬼が出た?

本殿からさらに東へ行くと灯籠がひとつあります。「忠盛灯籠」と呼ばれる石灯籠です。この灯籠に清盛生誕の謎があるのです。

永久年間(12世紀)の五月雨のころ、当時北面の武士として白河法皇に仕えていた平忠盛(たいらのただもり)は、白河法皇が寵愛していた祇園女御(ぎおんのにょうご)のもとを訪ねる法皇のお供としてこの近辺を歩いていました。
すると法皇が暗闇の中に鬼がいるのを発見したのです。頭からは銀の針がたくさん突き出て、右手に小槌を、左手にはなにやら光る物を持っています。その姿はまさしく鬼に見えました。
おののいた法皇は忠盛に退治を命じます。冷静沈着な忠盛はあれは鬼などではないと察し、殺さず生け捕りにしたほうがよいと考えました。そしてその鬼の後ろから羽交い締めにしてみれば…

なんと鬼どころか、ただの老人でした。老人は灯篭に火を灯そうとして、右手に油瓶を、左手には松明を持って、雨除けに麦わらを広げて頭に被っており、それが遠目には鬼に見えたのだとか。

  • 忠盛灯籠
  • 忠盛灯籠
  • 本殿の東、悪王子社の隣にあります。以前はもっと西よりにあったそうです

老人を鬼だと思い込んで退治を命じてしまった法皇は、忠盛の思慮深い冷静な行動を称賛し、ご褒美として寵愛していた祇園女御を忠盛に下さいました。ご褒美に可愛がっている女性をあげちゃうという発想も凄いですが、当時はそれなりによくあったそうです。

清盛生誕のナゾがここに

さらに凄いのは、祇園女御はそのときすでに法皇の子を身ごもっていたこと。 妊婦を下賜するという現代では考えられない離れ業を放った法皇は「生まれる子が女子なら私が育てる。男子なら 忠盛が育てよ」 とまた凄いことを仰せられます。
結局生まれたのは男子。その子がのちの清盛なのです。

忠盛は生まれた子を我が子として育てますが、どうもこの赤子は夜泣きが激しい。それを聞いた法皇はこんな和歌を詠んだそうです。

夜泣きすとただもりたてよ末の代に清く盛ふる事もこそあれ

意味は「夜泣きをしても、忠盛よ、ただお守りをして養育してください。後になって清く盛える事もあります」
この和歌の「清く盛ふる」から「清盛」の名がついたのだとか。
ちなみにその当時、祇園女御は既に40代だったことから、清盛の母は彼女ではなく、やはり同じく法皇の寵愛を受けていた祇園女御の妹ではないかという説もあります。
実母がはっきりしない上に、父親の忠盛とは血縁がないという今回の説話。清盛の生誕はどうもナゾが多いようです。

清盛と八坂神社のもうひとつの関わり

久安3年(1147年)清盛が30歳のときのことです。
祇園臨時祭の夜に清盛は宿願の成就を祈り、田楽を奉納しようとします。平氏の郎党が護衛として同行したのですが、八坂神社の神人に武器の携帯を咎められたことでひと悶着が起こりました。矢が宝殿に突き刺さり多数の負傷者が出る騒動になったのです。
これに対し八坂神社の本山である延暦寺が怒り、忠盛と清盛の配流を求めて強訴。結局、鳥羽法皇は清盛を「贖銅三十斤」の罰金刑にしました。

この罰金刑は延暦寺の衆徒にとっては大いに不満な結末で、以後3か月に渡り寺では内紛が発生。法皇は延暦寺の不満を抑えるため、八坂神社で法華八講を催し、忠盛もまた延暦寺との関係修復を図って自領を寄進したりしています。

そして鳥羽法皇の庇護により配流を免れた清盛は、今後ますます力をつけていきます。鳥羽法皇にとっても、白河法皇が手を焼いていた延暦寺の強訴を退けたことで、武力の有効性ひいては武士の重要性を高める政治を執り行うようになり、貴族社会から武家社会への変遷の橋渡しをする結果を生んでいくのです。



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  • 八坂神社
  • 住所 京都府京都市東山区祇園町北側625
  • 電話 075-561-6155
  • 開門時間 見学自由
  • 拝観料 無料
  • 交通 京阪本線祇園四条駅 徒歩8分


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