源平合戦編 平家の都落ち

仁和寺/京都府京都市

篠原の戦い

倶利伽羅峠の戦いで惨敗を喫してしまった平家軍はボロボロの状態で退却しますが、おいそれと退却を許す義仲軍ではありません。
京の都へ逃げ帰る平家軍に追い討ちをかける義仲軍。ろくに甲冑を装備している兵士すらいない状況で襲われた平家軍は恐慌状態となり、京の都に戻った時には出陣時の半数の兵しか残っていませんでした。(篠原の戦い

その篠原の戦いにおいて、奮戦したとされる平家方の武将が斎藤実盛(さいとうさねもり)です。70歳を過ぎてもなお奮闘した彼は、白髪を黒く染めて戦いに臨みますが、義仲軍によって討たれ、首を召し取られます。
しかし黒髪だったため義仲軍には一見して誰なのか判りません。そこで、池の水で首を洗ったところ、みるみると染料が落ちてようやく実盛だと気づいたのだそうです。

白髪頭の実盛の首を見た義仲は人目をはばからず泣き濡れました。
それもそのはず。実は実盛は義仲の命の恩人だったのです。義仲は幼少期に命を狙われていたのを実盛に匿ってもらい、安全な信濃へ送り届けてもらった恩があったのでした。

実盛の首を洗った池は、石川県加賀市の片山津温泉近くにあり、その名も首洗池との名がついています。

首洗池

延暦寺の返答

勢いに乗る義仲軍は越前まで南下。この先は近江を挟んですぐに京の都です。このまま京へ攻め入るのも手ですが、近江の最大勢力である比叡山延暦寺に邪魔をされては敵いません。そもそも延暦寺は敵なのか、それとも味方なのかもはっきりしないのです。

そこで義仲は延暦寺に手紙を送って返事を待ちました。
手紙の内容は、我儘に振る舞う平家を非難し、以仁王の令旨に則り平家と戦う自らの正当性を主張した上で、延暦寺は平家側源氏側どちらの立場なのかを糺すものでした。
手紙を受け取った延暦寺では侃侃諤諤の議論が交わされ、結局源氏側に味方することに。

一方、まさかそんなことになっているとはつゆも知らない平家
平家もまた連名で延暦寺に「味方してください」と手紙を送りますが、時すでに遅し。さらに義仲軍が比叡山まで来ているとの報が平家に届き、おまけに源氏以外による反乱の動きも発覚。何の手も打っていない平家は大混乱に陥ります。

こうなってはもう逃げるしかない! そう悟った平家一門は神器などとともに安徳天皇を連れ、都を脱出してしまうという異常な行動に出てしまうのでした。

都を捨てた平家、取り残された頼盛

平家一門とひとことで言っても、大勢いるわけで、なかには都の脱出を知らされなかった者もいました。それだけ大慌てで逃げ出したとも考えられますし、単に仲間外れにされたとも言えるでしょう…

その不遇な者の名は平頼盛(よりもり)。清盛の異母弟で、母は平治の乱ののち清盛に源頼朝の命乞いをした池禅尼です。そのことと、鹿ヶ谷の陰謀で流罪となった俊寛の姉妹である八条院女房が頼盛の妻だったこともあり、どうも平家の中で頼盛は冷や飯を食わされていたようです。

平家が都を捨てて逃げてしまったちょうどそのころ。
頼盛は都のそばの山科(京都市山科区)で義仲軍が攻め入ってくるのを待ち伏せていましたが、平家逃亡の話を聞いて唖然。なんで教えてくれなかったんだ!と憤ります。そりゃそうです。

こうしてはいられぬと、京へ戻った頼盛。都は焦土と化していました。義仲軍が暴れたからではありません。都を脱出する平家が都のあちこちに火を放ったからです。
自邸も全焼していたため、頼盛はやむなく八条院を頼って仁和寺(にんなじ)へ向かいました。

仁和寺

八条院とは鳥羽上皇と美福門院の娘で、後白河法皇とは異母兄弟の間柄。頼盛は八条院の後見人的な立場にあったため、後白河法皇との繋がりも深かったのです。頼盛に仁和寺へ向かうことをアドバイスしたのも後白河法皇でした。

幽閉されたりなんだかんだで清盛に翻弄されていた後白河法皇。清盛の死後は我が春が来たとばかりに院政を復活…のはずでしたが、平家が院の好き勝手を許すわけもなく、後白河院は平家に従いつつも、裏では策略をめぐらせていました。

平家劣勢の情勢を察知した後白河院は、平家が都を脱出する気配を感じると都落ちの道連れにされてはたまらないとばかりに、そっと法住寺殿を抜けだして比叡山に身を隠してしまいます。
平家の都落ちの面々に法皇が加わっていなかったのは、こういうワケで。

2日後、身を隠していた法皇は護衛に守られて悠々と京に戻りました。
そしてその翌日、とうとう木曽義仲が入洛します。

画像引用:一般社団法人加賀市観光交流機構様 (http://tabimati.net/)



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  • 仁和寺
  • 住所 京都府京都市右京区御室大内33
  • 電話 075-461-1155
  • 開門時間 3月~11月 9時~16時半受付、12月~2月 9時~16時受付
  • 拝観料 御室桜開花期間大人500円、小中学生200円、それ以外の時季は境内無料、御殿拝観などは別途有料
  • 交通 京福電気鉄道北野線御室仁和寺駅下車 徒歩5分


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