戦わずして負けた戦

平家越/静岡県富士市

福原でくすぶる高倉上皇

福原に遷都したものの、高倉上皇はやはり京の都に戻りたくて仕方ありません。福原の地は山と海に挟まれた狭い土地のため、新都建設には少し手狭。そこで昆陽(こや・兵庫県伊丹市近辺)に建設を提案したりもしますが、却下されてしまい、逆に清盛に京の都からさらに遠くなる印南野(いなみの・兵庫県稲美町近辺)を候補に挙げられる始末でした。
なんだか体調まで悪くなってしまう高倉上皇。京に戻りたい気持ちだけがどんどん膨らんでいきます。

結局、このまま福原を新都として開発していこうという結論に落ち着いたわけですが、新都建設などにうつつを抜かしていられない事態が発生しました。

源頼朝の挙兵

先立って発生した治承三年の政変によって平家に領地を奪われた地方豪族たちの不満は募る一方でした。それが爆発するきっかけとなったのが、以仁王の挙兵です。以仁王自身は平家の追手によって戦死してしまいますが、彼が発した令旨が死後、効果を発揮しました。

平治元年(1159年)に発生した平治の乱で戦死した源義朝の子である頼朝は伊豆に配流されていました。彼のもとへ以仁王の令旨が届き、それを奉じて挙兵します。ところがあっさりと平家軍に完敗。(石橋山の戦い

  • 歌川国芳作、石橋山の戦い
  • 石橋山の戦い
  • 神奈川県小田原市で起きた戦闘。準備不足の頼朝軍300騎に対して、平家軍3,000騎と圧倒的な力量差での対戦となり、頼朝軍は惨敗しました。
    画は歌川国芳によるもので、頼朝軍について奮戦した佐奈田義忠(さなだよしただ・与一)と平家軍の俣野景久(またのかげひさ)の取っ組み合い。

命からがらに逃げ出した頼朝は態勢を立て直すべく、安房へ隠れます。そして東国諸国の反平家勢力を集めます。わずか1ヶ月、治承4年(1180年)10月には頼朝軍は一大勢力に急成長していました。

ならば勢力が成長する前に平家軍は頼朝をひっ捕らえれば良かったのでは?と考えるのが普通ですよね。当然頼朝の動きは福原にいた清盛の耳にも届いていました。清盛は知らせを聞いた4日後には追討軍の派遣を命令します。

しかし、追討軍の編成は遅々として進まず、挙句にどの日に出発すれば吉日かで揉める始末。総大将の維盛(これもり・重盛の子)の頼りなさが浮き彫りになります。結局追討軍が京の都を出発したのは派遣命令が出てから24日も後の話。
そうこうしている間に、信濃の源義仲(みなもとのよしなか)が挙兵。さらに甲斐の武田信義(たけだのぶよし)、九州の菊池隆直(きくちたかなお)らも次々と挙兵します。九州の反乱は平家が赦免の決定をしたためすぐにおさまりますが、東国はもうどうにもならない状況に。

富士川の戦い

京を出発した平家の追討軍ですが、数こそは4,000騎あったものの、道中で拾って来たような寄せ集め部隊な上に、食糧もままならず、とてもじゃないが戦える状態ではなかった様子。
おまけに半数近くの兵士が脱走してしまうというありさまでした。

静岡県の富士川を挟んで両軍は対峙します。そこへ武田信義の軍勢が追討軍の後背から奇襲をかけようと馬で富士川に入りました。それに反応した水鳥の大群が一斉に飛び立ち、その羽音を敵軍の奇襲だと勘違いした追討軍は泡を食ったかのように散り散りに逃げてしまうのです。

平家越

現在の富士川の流れから東へ6kmほどいったところに流れる和田川岸にはこの戦いの地だと目される碑が建っています。平家越(へいけごえ)と呼ばれ、当時はこのあたりに富士川が流れていたとされます。

戦わずして負けてしまった情けない追討軍。維盛がなんとか京に辿りついたときには軍勢はわずか10騎ほどにまで激減していたのだそう。
一方、頼朝は東国の結束を一層強くし、次なる展開の時を待つのでした。


画像引用:社団法人静岡県観光協会様 (http://hellonavi.jp/)



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  • 平家越
  • 住所 静岡県富士市新橋町11
  • 電話 0545-55-2777(富士市観光課)
  • 開門時間 24時間
  • 拝観料 ー
  • 交通 岳南鉄道本吉原駅 徒歩12分


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